体調: まぁまぁ
食事: まぁまぁ
体重: 2.0kg
初めての自宅輸液。ドクターには手順をきっちり教えてもらったし、質疑応答も十分にした。診察台でファンを相手に実際にやってもみた。なのに、プロがそばにいないとやっぱり不安だ。
シリンジに針を装着、生食のパックから60ccを吸い上げる。針をチューブ付き翼状針に換える。ファンの肩甲骨部の皮をつまみ、消毒する。針を根元まで刺し、ゆっくりと生食を注入する。
と、書くと至って簡単そうなのだが、いかんせん私は針にフォビアがある。採血の時も、針が自分の血管に収まるのを見ないと気が済まない。凝視していないと、いつ刺さるか分からず、恐ろしくてジタバタしたくなるからだ。
ファンは、まさか自宅で輸液をされるとはつゆも知らず、ソファで寛いでいる。器具を準備しながら、手順を反芻する、が、始める前からうまくいきそうにない気がする。ネガティブな私。
背中を消毒すると、ファンもようやく何かが始まると気づいたらしく、弱々しく抵抗をする。夫がファンを動かないよう押さえ、準備万端。しかし、猫の背中の皮は意外に硬い。チク…チク…なかなか針が刺さってくれない。夫が「そんなこわごわやったら余計に痛いよ」と言う。だって、刺さらないんだもん!さらに夫がたたみかける、「ファンが動いちゃう。早くー」
だったら、自分でやったらどうなん?あたしゃ、針が怖いねん!
いやいや、お母さんがビビってどうする、やるしかないんだ。
「えいっ!」 プスリと針が静かに入った。ファンが小さく鳴く。やっぱり痛いんだね、ごめんよ~。ゆっくりと生食を注入、といきたかったが、ファンの鳴き声が徐々に大きくなり、慌てて高速注入。ニャー!再度、ごめんよ~。
輸液が終わると、怯えたような怒ったような顔をして、ファンはソファの裏のベッドにそそくさと逃げ込んだ。生食が両サイドに均等に入らず、ファンの背中の右側には、不自然なコブができていた。大丈夫、お母さん、きっと輸液上手になるからね。そうだ、まずお父さんで練習しよう…。
輸液セット。針こわっ!